原子炉というものは実は反応が止まってからが勝負。
基本的には崩壊熱と呼んでいるが
ここのところをキチッと処理しないと
フクシマのようなことになる。
今回、反応は止まった。
核分裂は止まった。
これは事実。
しかし、あのすさまじい水素爆発は、
核分裂停止後の崩壊熱で起こった。
崩壊熱は核分裂で生成されたものが
安定しようとするときに出す熱で、
二分の一が安定した状態になるのを半減期という。
ヨウ素の場合は八日間。
セシウム137の半減期は30年。
60年たっても四分の一はまだ安定していない。
だから、浜岡原発も、
停止後に、燃料棒を燃料プールに移しても100年は
非常時(大震災)の心配をし続けなければならない。
もしも、冷却に失敗すると燃料棒が溶融(メルトダウン)して
放射性物質が拡散する恐れが出てくる。
現実に、福島の水素爆発とはメルトダウンのことである。
メルトダウンという言葉では不安を増大するから
水素爆発という新しい言葉でごまかしていたのだ。
使用後の燃料棒は最終的にはガラスに封じ込める。
燃料棒を包んだ土を高温で焼き〆て
陶器、磁器にしてガラス化させる。
そうすると水を含んでも外に滲み出さない。
ガラスは数千年持つといわれる。
メソポタミア文明の遺跡から透明でないガラス製の出土品が
たくさん出ている。
燃料棒を被覆している燃料被覆管は
ジルコニウムで出来ている。
ジルコニウムは非常に熱に強い。
人工ダイアモンドでジルコニアというものがある。
人工ダイアモンドの素材になるくらいだから
熱には強いはずだ。
ジルコニアはジルコニウムに水を加えると
二水酸化ジルコニウムというのが出来る。
その過程で水素が出る。
ジルコニアは融点2700℃で、イイカゲンでは溶けない。
これが溶けたのを炉心溶融という。
いわゆる、メルトダウンだ。
つづく
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