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芹工務店の社長である私がお気楽に日々思うことなどを 徒然なるままに書かせてもらいます。

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昨今の新築住宅は自然素材が流行です。
無垢のフローリング、無垢のドアや引き戸、塗り壁、無垢材木の腰壁などはあこがれます。
私たちも自然素材はお勧めです。古くなっても、それなりの味わいがでますし、なんとなく厚みや深みもあるように感じます。無垢材は傷が付いても削ったり、埋めたりして再生が可能です。
しかし、良いことばかりではありません。
自然素材は何パーセントかのVOC(揮発性有機化合物)を必ず含んでいます。
それなりに高価でもあります。
自然に生きているときは高い水分率でありますから、乾燥すれば必ずヒビ割れ、ねじれ、曲がりが発生します。これは避けられないことです。
また、塗り壁も伸縮性に乏しい素材ですし、水を使う素材ですから、やはり、乾燥によって収縮しますからヒビ割れ等が発生します。古くはわらや麻繊維、昨今はグラスネットなどでつなぎ材にして亀裂防止対策をしていますが、全くヒビ割れないというのはムリな事です。
当然、無垢の材木と塗り壁の取り合いなどもスキマが出来やすいところです。
無垢のドアや引き戸は季節によって湿度に影響され、反りや縮みで枠との間にスキマが出来たり、逆に膨らんでとの閉まりがきつくなったりします。
無垢のフローリングも床暖房とは非常に相性が悪く、たとえ、床暖房対応のものでもフローリングの継ぎ目はスキマが出来ます。
材木の場合、無垢の柱にはあらかじめ背割りと言う、芯まで届くようにのこぎりで1ヶ所切れ目を入れておくことをします。それによって他の場所に割れが出ないようにするのですが小さな割れは避けられませんし、背割りによってその面は湿度により口が1~2ミリほど開いたり閉じたりします。それは、柱を覆うプラスターボードの壁材を押して、釘が浮いたり、壁クロスが切れたりすることもあります。
また、梁材はヒビ割れが入っても、断面を貫通して反対側が見えたりするような大きなわれで無い限り耐力的な劣化は小さく、十分に許容範囲だということは実験データで照明されています。
そうした、もろもろの自然素材の持つ欠点を理解して、ヒビ割れの様子を楽しんだり、フローリングやドアのスキマを「しばらくすれば戻るさ」くらいに寛容の気持ちを持って使うことが必要だと思います。

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