表題は5月22日の沼津朝日のトップの見出しです。
静岡県消費者団体東部支部の5月12日の総会で
沼津高専の渡辺教授が講演をした内容が
抜粋されてありました。
渡辺教授は灯台工学部を卒業後、東芝に入社。
原子力事業部に配属され、福島第一原発の三号機、五号機
女川原発の一、二、三号機の基本設計に携わった。
原子力発電所は熱エネルギーで蒸気を発生させ
タービンを回して発電する。
発電原理は火力発電と同じだが、熱を起こすところが違う。
金額にしても火力発電で七、八百億円のものが
原子力発電では同規模の発電量で五千億円程度かかる。
その内、三千~四千億円程度が
緊急炉心冷却系にかかるといわれている。
福島第一原発で機能しなかった部分である。
この緊急炉心冷却系については、先輩から
「これを一度でも使ったら、
科学者、設計者としては終わりだよ。
これを働かせないように設計するんだよ。」
と教わった。
今回、原子力発電所が一度でも使ってはいけない機械が
作動しなければならない状況で
ホントウは作動して欲しかったのに
作動すらしなかった。
最悪の事態、設計用語では、最大想定事故というが、
原子力発電の場合は炉心が溶融するという事故を
きちっと認識していかなければいけない。
その認識を持って臨まなければ
設計も製作もしてはいけないものだ。
想定外という言葉が使われるが、ケッシテ、想定外ではない。
技術者としては非常に屈辱である。
私たちがやってきたのは一体なんだったのだということになる。
つづき
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