シックハウス対策法は大きく分けて、VOCの発散の防止と24時間義務換気の2つからなります。
前回は「VOCの発散の防止」について文句を言いました。
今回は、「24時間義務換気」について文句を言います。
昨今の住宅は、かなり気密性が向上しています。
芹工では「高気密・高断熱」に特化して、こだわりを持ってやっていますから、「高気密・高断熱」施工をしない住宅をやっていないので、データが無いのですが、感覚的に「次世代省エネ基準のⅣ地域でのC値の基準値5.0は普通の住宅でもクリアしちゃうんじゃないかと思っています。
ちなみに、当社が引渡しの時にお客様にお渡しする「次世代省エネ基準についての御説明」から、C値、Q値の項を抜き出してみました。
気密性能は隙間相当面積:C値であらわします。
C値とは建物の外壁、屋根などの外周面にサッシの引違いの隙間などいろいろなところに少しづつある隙間の合計面積を建物の延べ床面積で割ったものです。
床面積1㎡当たりに隙間が5.0c㎡あるのをC値=5.0と表します。
延べ床面積30坪(100㎡)の建物ではC値=5.0の場合、外周面(外壁、屋根、開口
部など)に隙間合計が(5.0x100㎡=)500c㎡(約22cm角)になります。
芹工務店ではC値=1.0以下を目標としています。
C値=1.0の場合、延べ床面積30坪(100㎡)の建物では外周面に隙間合計が(1.0x
100㎡=)100c㎡(約10cm角)になります。
去年、一年の当社施工の住宅のC値は平均で0.5でした。
30坪の家では約7cm角のスキマです。
断熱性能は熱損失係数:Q値であらわします。
Q値は熱損失係数といって、建物の内部と外気の温度差を1℃としたときに、建物内部から外界へ逃げる1時間あたりの熱量を床面積1㎡当たりの数値であらわした数値です。
つまり、家全体の外周面積(外壁、屋根、開口部など)の各部位の熱損失量の総計を床面積で割ったものがQ値です。(W/㎡℃)
芹工務店ではQ値=2.0以下を目標としています。
この、C値の規定も、実は、昨年度からなくなってしまいました。
「高気密・高断熱」は断熱性能だけでなく気密も絶対に必要だということは、私のブログをご覧になる方は、とうに御承知のことと思いますが、なぜ行政はC値の規定をはずしたのか分けがわかりません。
多分、その感性が、そのまま、「24時間義務換気」にもあったのだと思います。
「24時間義務換気」の規定は「2時間で1回、屋内の空気を全部入れ替えるだけの換気扇を付けなさい。それは常時換気されること。」というものです。
しかし、コレはあくまでも換気量だけのことです。
計算上、0.5回/時間の換気能力のある換気扇をつけて、それに必要な広さの吸気口を壁にあければOKなものです。
しかし、それでは家全体の空気は動きません。
トイレの壁付けパイプファンではトイレの中の空気を吸うのが精イッパイです。
とても、廊下や居間などのほかの部屋から吸うほどの力はありません。
また、この程度の換気扇では屋外が強風だったりしたときにはそちらの風圧が強くて、逆に外から換気扇を通して風が入ってくるようなことも有る状態です。
そんな程度の「義務換気」では電気メーカーのために安物を売る市場を作っただけのように思うのです。
公務員さんたちは何を考えているのでしょうかね?
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