政府は「次世代省エネ基準」に関して、平成21年度から改正する方針のようです。
断熱性能を示すQ値に関しては厳しくなるようですが、気密度の目安となるC値は基準が撤廃されるようです。
「窓もセイセイと開けられないようで、なんだか息苦しい。」などと誤解されやすいのですが、住まいの気密性を高めるということは、壁や天井、床などの部材と部材の間の「すきま」を減らして、る「すきま風」をできるだけなくすということを意味します。
窓の大きさや形状とはまったく関係のないことです。
室内の空気清浄性についていえば、次世代省エネ基準では、必ず給排気のための換気口が設けられ、計画的に換気が行われますので、室内の空気はむしろきれいに保つことができます。
気密性が低い住まいは、たくさんの「すきま」から絶えず家の中の空気と外気が入れかわっていますので、暖めても冷やしてもエネルギーロスが多いのは当然です。 いくら、壁や天井に断熱材を詰め込んでも、すきまだらけでは外気が入りこみますので、断熱材の効果 はサッパリありません。 エアコンなどの機器の省エネ技術がどんなに進歩しても、根本的な対策、つまり断熱気密化が足りないとエネルギーのムダはなくなりません。 また、そうした「すきま」から出入りする空気が含んでいる水分が、温度変化によって断熱材の中で結露を起こしてしまい、柱や土台を腐食させることになります。 こうした内部結露は、目に見えない場所で起こりますから、気がついた時には、問題が相当深刻化しているケースが多いのでやっかいです。 結露はカビを発生させて、カビは室内に浮遊して、人体に悪影響を及ぼします。 そういうわけで気密の悪い家は、いくら断熱材が良いものでも、また、たくさん詰めても「すきま」から熱が勝手に出入りして室内の温度コントロールが出来ません。 「すきま風」は余計に寒いものです。 そして、結露防止のためにも気密度を上げることは欠かせないことです。
と言うわけで、高断熱を追及した場合は当然すきま風などもシャットアウトしたいので高気密はセットになってきます。 そのために室内側に防湿気密フィルム、室外側に透湿防水シートなどを張って気密化を図るのですが、その結果、今度は当然、室内側で発生する湿気(人体、調理、暖房などから多量の水分が発生します。)や室内の人間や調理などが排出するCO2(空気我がヨゴレて室内が臭くなったり、ひどい場合には酸欠や一酸化炭素中毒を起こします。)を常時、屋外に出して、かわりに新鮮な空気を入れてやらなければならなくなります。
そこで換気システムが必要になるのですが、換気によって外気を入れると、空気と一緒に熱も入ってきます。夏は暑く、冬は冷たい空気です。
ですから、寒冷地では熱回収型の換気システムが必要になります。
ある程度、温暖な地域では対費用を考えると高価な熱回収型の換気システムまでは必要ないでしょう。
いずれにしても高気密、高断熱にした場合は燃焼型の暖房器具はできるだけ避けるべきです。
水蒸気や二酸化炭素、一酸化炭素の発生が湿度をあげたり、空気を汚したりします。
ただし、換気システムがシッカリ作動していれば、ある程度クリア出来ます。
また、換気システムを設置した場合はその稼動時の騒音、振動対策を考慮する必要があります。就寝時には小さな音でもケッコウ気になります。
当社では家全体の空気を2時間に1回の割合で入れ替える頻度の設定で計画換気システムを作動させています。
ですから、家の中の空気はいつも清浄で、真夏に外出から帰ってきて、締め切った家に入っても、ドカッとした空気が襲ってくることはありません。
あるいは、2~3日の旅行から帰ったときもムッとしたり、変なにおいがしたりするようなことも有りません。
断熱と気密と計画換気はセットなのです。
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