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芹工務店の社長である私がお気楽に日々思うことなどを 徒然なるままに書かせてもらいます。

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結露のメカニズムは単純です。
「暖かく湿った空気が冷えると結露が発生する。」
コレだけです。
空気は温度によって、保持できる水蒸気の量は変わります。
温度が高いほど多くの水分を含むことが出来ます。
たとえば、25℃の空気1㎥中に保持できる水蒸気量は23.1gですが、10℃になると9.4gしか保持できません。
保持できない13.7gが結露することになります。
冬に25℃の室内の空気が対流で外気に接して冷え切っている窓ガラスに当たり窓ガラス周辺の空気温度が10℃になるとなどガラスに結露して水滴になるわけです。
冷たい窓ガラスに域を吹きかけると白く曇りますが、これは息の中の水蒸気が細かな水滴になっているわけです。
夏場に、氷の入った冷たいジュースのグラスの表面も同じ原理です。
空気が保持できる水蒸気の量イッパイの状態を湿度100%と言うのです。
だから、温度によって保持できる水蒸気の量は違うのです。
25℃の空気の場合、湿度80%といえば、1㎥中に水蒸気量は18.48g含んでいるということになります。
窓ガラスや壁の表面にできる結露を「表面結露」といいます。
壁の内部に入り込んだ空気が結露するのを「壁内結露(内部結露)」といいます。
壁の表面が結露して湿った状態が続くとクロスの裏側のノリや、日上生活でクロス表面に付着する人間の油分などの色々な栄養が原因となってカビが発生します。
怖いのは「壁内結露(内部結露)」です。
壁の中が常に結露した状態になると、柱などの材木にカビが生えたり、腐朽したりする原因となります。

結露対策のポイントは「水蒸気を含んだ空気の移動」と「温度差が発生する箇所」に注目します。
冬は室内の空気は外部に比べて暖かく含む水蒸気も多くなります。
この室内の水蒸気は0.0004μmという非常に小さな粒子なのでクロスやプラスターボードは通過してゆきます。また、壁内の断熱材に使われるグラスウールは綿と同じ状態ですからグラスウールの中を水蒸気は壁内の内側と外側の温度差により、対流を起こし自由に行き来します。
すると壁内の外側で温度が下がり空気は水蒸気を保持しきれなくなって結露となるのです。
ですから、グラスウールなどの断熱材の場合は室内壁下地のプラスターボードの裏側にポリエチレンフィルムなどのベイパーバリア(防湿層)で水蒸気を遮断する必要があるのです。
この防湿層ではその外側のダンネツ材の効果でこの部分での温度差は少ないので結露は発生しません。
一方、夏は室内で冷房を使えば外気のほうが温度が高く水蒸気を多く含んでいます。
外壁の皮膜になる仕上げ壁の内側にもうける通気層は日射に拠る温度の上昇を防ぎ、透湿防水シートによって水蒸気の行き来を可能にして構造用合板や断熱材外部側あたりに浸透する湿気を外に逃がす構造にしているのです。

透湿防水シートとは0.5μmから3μmまでの微細な穴を持ち、直径100μmの水の粒子は防ぐが、0.0004μmの水蒸気粒子は通すという性質のものです。
住宅の高気密・高断熱化に伴い壁内結露の問題が指摘されるようになったのを受けて左官壁の防水用下地として使われてきた透湿性の低いアスファルトフェルトの代替品として使われるようになって来ました。

しかし、ベイバーバリアは水蒸気の侵入を防ぐという目的の為には精度の高い仕事が要求されます。シートの継ぎ目、コンセントやスイッチ、換気穴などの取合いの密封は経験と技術の高さが要求されます。
また、グラスウールなどは柱や間柱の間に充填するものですが、端っこがシッカリ充填されずにスキマが出来ればそこは断熱できませんから即、結露につながります。

芹工務店で勧めているダンネツ材のアイシネンは現場発泡と言う性質上、充填する部分で100倍に膨らむのでスキマを残しません。アイシネンの気泡は直径100μm前後でその穴のひとつひとつに不連続なやっと水蒸気を通すくらいの穴が開いています。その構造がごくわずかの調湿機能を持ちアイシネンの表面近くで水蒸気のやり取りをするのです。そして、アイシネンの内部ではグラスウールのような空気の対流を起こすような連続した空間はないのでアイシネン内部での対流による結露などは起きないのです。アイシネン固有の機能がベイパーバリアを不要とし、断熱機能の安定を保つのです。

もうひとつ、冬場の寒いときの暖房の方法は断熱と気密の効いた家では開放型の暖房は禁物です。
開放型の暖房とは灯油ストーブやガスストーブのことです。
灯油ストーブやガスストーブは灯油やガスを燃焼することによってH2OやCO2が発生します。
計画換気で換気しているといっても、多量に発生するCO2は空気を汚し、室内の酸素を消費します。また、発生するH2Oは空気中の水分量を増やして飽和水分点をあげるのでチョットした温度差でも結露になりやすくなります。
燃焼によって発生したH2OやCO2を煙突で運びだしてくれるマキストーブや暖炉、あるいはFFファンのストーブは酸素の供給さえ気をつければ高断熱・高気密住宅でも洗濯できますが、発生したH2OやCO2が部屋に充満する開放型の暖房だけは控えてください。















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