芹工務店ではムクフローリングをお薦めしてきました。
単に自然素材ということでなく、合板フローリングと違って芯まで、ウラまで同じ素材だからです。
汚れや傷に対して削ったり、埋め木したりできるので長持ちします。
合板フローリングですと、ベニヤの上に、表面に0.3ミリ程度の薄い木目の化粧単板あるいは木目プリントの紙(ビニールコーティング施工)を貼ったものですから、不注意で窓マワリが雨で濡れたり、日射によって劣化が進むと、フローリングの表面材を貼りなおさなければなりません。
ただし、合板のフローリングは1,2年でデザインが変わってしまいますので合うものがありません。
全体を張りなおす作業になりがちです。
コレは同じ様な仕上げのドアや窓額も同じことです。
「表面材を張りなおす」ということは当社ではマダやったことがありません。
これは10年以上の長いスパンの話ですし、なんといっても合板材はムク材に比べて安いのが長所です。
芹工務店が、フローリングや窓額、木製建具などを無垢でお薦めしているのは、劣化に強く長持ちをする、古くなってもただ古くなるだけでなく古くなったなりの味わいが出てくるからです。
しかし、そこには悩みもあります。
第一は、いかに乾燥材で工場で管理して出来たものでも、合板素材に比べると、乾燥、湿気などに拠る変形が大きいことです。
無垢素材の変形は目地巾が広がったり、目地のところで微妙な段差になったり、壁との取合いでチリ切れなどになって現れます。
また、フローリングに関して言えば床鳴りと、無塗装の場合の壁際の汚れです。
床鳴りは無垢ゆえに、湿度に拠る変形の大きさから、どうしても合板フローリングより床鳴りしやすくなります。
そこで、より床の剛性を高める為に今までの24mm構造用床合板を28mmにして、50ミリ長ステープル(二股釘、ホッチキスの足の長いヤツです)で約150mmピッチでローリングを下地に止めていたものにプラス、フローリングのオス目地の下側にボンドを施工して下地からの浮き上がりをより少なくさせるようにします。
コレによってがフローリングの固定がより強固になると思います。
床の汚れとは、工事中にフローリングを貼った後スグに、養生ボードと養生シートで覆うのですが部屋の端は壁の仕事があるのでスコシ空けます。
そして、養生の端部を養生テープで貼りますが、このスキマとテープのノリの部分にホコリが付いて完成後、部屋の周囲だけシロっぽくなってしまいます。
コレがナカナカキレイになりません。
また、無塗装のムクフローリングは工場でプレナ(自動カンナのようなもの)でキレイに削るのですが、押さえつけてカンナ掛けしたような状態ですので、現場施工後、養生シートで2月くらいフタをした状態でいると、養生をはがしたときに木の目が起きて産毛が立ったようになります。
そこで、最後にペーパー掛けをするのですが手間がかかる割りに決定打にはなりきれていませんでした。
何度かお客様からのクレームにもなりました。
そこで、これからは無塗装ムクフローリングであっても原則、浸透性の塗料を1回塗ることにしました。
試験的に行ったお宅では汚れも目立たず、産毛も立たず、塗料メーカーの話でも引渡し後の汚れも付きにくいとのことです。
また、塗装した時のツルツルした感じも無く、良い感じだと思います。
合板には合板の悩み、無垢には無垢の悩みと、どの素材を提案しても、その素材の持つメリット、デメリットはあるものです。
いかに、そこをお客様に理解して使っていただくか悩ましい限りですが、粘り強く、できるだけ詳細に説明してゆくつもりです。
皆様も気軽に、住宅についてご質問ください。
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