音やニオイのトラブルは物理的要因よりも心理的・生理的要因のほうが大きいようです。
音の場合では「嫌いな人」の発する音は気になります。
「好きな人」の発する音はその人の存在を知ることで「好きな人がそばに居るという「癒し」になります。
私の場合で言えば「孫がドタバタ発する音や、姉妹でケンカしてわめく声」はとても心地よく感じますが、「女房が発する食器を洗う音も、上の階を歩くときのスリッパの音も」、「マッタク、無神経な女だ。もっと静かに出来ないのか。」とイライラが募ります。
病的心理(パラノイア、偏執質、妄想質)に拠ることも有ります。同じ音が気になりだすと、それは小さな音でも気になって仕方が無いようになります。
しかし、より大きな音で隠れてしまうと意識しなくなる場合もあります。
室外の騒音(気にならない程度ですが昼間は屋外の色々な音が侵入してきますので、室内の小さな音は消されてしまいます。しかし、夜になって静かになると、昼間気がつかなかった音が聞こえてきます。たとえば、トイレの排水の音、換気扇の音、テレビの音も同じ音量設定でも夜遅くなると大きく聞こえます。)
ニオイも気になるメカニズムは音とマッタク同じです。
しかし、「心理的なものだ。」で片付けてしまっては住宅会社としてはいい加減ですから、数値的な情報をお出ししておきます。
「静かな環境」レベルは40デシベル前後です。
「睡眠の良好な環境」レベルは35デシベル程度です。
「普通の事務所環境」レベルは50デシベル以下です。
住宅地の昼間もこのレベルです。
60デシベルを越えるとニギヤカになってきます。
普通音量のテレビやラジオ、掃除機などの音がこのレベルです。
電話のベルや街角の交差点の騒音は70デシベル以上になります。
自動車のホーン、ドラム、新幹線、ジェット機などは100デシベルを気増す。
デシベルと言うのは音の強さ(音圧:音の強さを電圧比で計測、換算しています。対数が計算式に使われていますから、デシベルの数値の差は単純な直線的な差では有りません。)をであらわした単位です。
昔使われたホンとほぼ同じと考えていいでしょう。
騒音(音圧レベル)が10デシベルさがる場合は、人間の感覚では騒音の大きさが半減したと感じるといわれていますが、10デシベルの遮音効果を期待しようとするとおよそ4倍の壁厚が必要になります。ただし、木造の中身が空洞の壁を厚くしてもダメです。コンクリート壁のように中身の詰まった壁のことです。
木造壁の場合はプラスターボードが両面2枚なら8枚にするということです。
また、音の招待は振動なのですが、伝わり方は2種類ありまして、空気の振動で感じるもの(コレが一般的な音として感じるものです。)と、壁や床の振動で伝わるものと有ります。
ですから、遮音対策はこの2つの伝わり方に対して対策を立てなければなりません。
芹工務店の標準的な対策を列記してみましょう。
外壁は外側からサイデング15mm、通気層15mm、透湿防水シート、ケナボード4.5mm、アイシネン77mm+空気層28mm(一部、柱や間柱に変わる)、プラスターボード12.5mmと言う構成です。窓の部分はペアガラスになっています。
外部からの遮音性はアイシネンが効いていて遮音効果は高いものです。
屋根も160mmのアイシネンが吹付けてあります。
内部の間仕切壁はアイニクと特別な遮音対策は取っておりません。
両面にプラスターボード12.5mmの壁下地の上にクロス貼です。
ケイソウド塗り壁でも薄塗り工法ですので片面3mm程度です。
床は1、2階とも剛床工法で土台や梁に直接、24mm構造用合板を貼り、その上にプラスターボード9.5mm+フローリングです。
音は質量の重いものほど遮音効果がありますので、床にプラスターボードを挟むのは効果があります。
また、均一な材料だけよりも、違う物質を重ねて、それぞれの持つ固有の周波数が違うことで振動を消す効果も狙っています。
もっと、遮音する方法ですと、
天井の下地野縁を吊る吊木を防振タイプにかえて振動の伝播を弱めたり、1階の天井裏にグラスウールなどを入れて吸音効果を高めたり、床の中に防音シートや防音マットをいれる方法もあります。
トイレなどの排水管は排水管用遮音材「サウンドシールドPS50」などを巻くことで排水音を低減させることも出来ます。
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