7月24日の朝日新聞に「プラスチックごみは、もっと燃やせ」という過激な題のコラムがありました。
要点は「リサイクルコストは焼却発電コストの3.5倍かかる」ということです。
ペットボトルなどのプラスチック製品のリサイクルにかかる費用が高いというのは巷間、言われていたことですが、日本プラスチック工業連盟の試算では、リサイクルで二酸化炭素発生を1トン削減するのに10万円かかるそうです。
欧米の関心は再生可能エネルギーに向かっていて、EUは2020年までに総消費エネルギーのうちの20%を再生可能エネルギーに、米国でも2025年までに25%に引き上げるという目標値を設定しています。
再生可能エネルギーというと太陽光、風力、潮力などの自然エネルギーを思いがちですが、「ごみ」も有力な再生可能エネルギーだそうです。
カリフォルニア州では「ごみ」は再生可能エネルギーの40%を〆ているそうです。
リサイクルコストが高すぎるならば「プラスチックごみ」を燃やして「燃料エネルギー」として利用しようということらしいのです。
燃やして得られる蒸気でタービンを回して発電し、エネルギー回収をします。
プラスチックは熱量が高く、高効率発電に不可欠だとのことです。
燃やせば二酸化炭素が発生して温暖化対策に逆行するのではないか?
という疑問が湧きますが・・・。
高いリサイクルコストでリサイクルを重ねるのはそれだけ、エネルギーを消費していることになるし、最終的には燃やさなければならないならばコストを掛けずにエネルギー回収をしようということです。
たしかに、分解して土に戻らないプラスチックを埋め立てるのはいかがなものかとも思います。
東京都では「プラスチックごみ」は埋め立て不適物にされているそうです。
どうせ、必要なエネルギーを生む為に、さらな素材の石油を燃すよりも「ごみ」を燃すほうがよいかもしれません。
以前、騒がれたダイオキシンの問題は「焼却温度が低いことでダイオキシンは発生するので、発生しない温度まで焼却温度を上げるなどの改良をした新しい焼却炉」では問題ないそうです。
単純にエネルギー消費の点で比較すると、試算の前提となる条件の設定によって1~2割の差が出るそうですが、リサイクルと燃焼発電ではそれほどの差は出ないようです。
しかし、プラスチック容器包装と分類されるものを分別収集するときに、単一素材でなおかつ、キレイなものはよいのですが、マヨネーズのチューブ、納豆のトレーなど混合する素材や、異物の混じったものがリサイクルコストを引き上げる原因になっているようです。
それなら、キレイにしたり、素材ごとに切り分けたりするよりも「可燃ごみ」として焼却発電に利用してしまうほうが効率的ではないかということです。
問題はこの焼却発電をするには市町村ごとの小さな焼却発電施設では効率がわるいので、広域での「ごみ収集」とキャパのある効率の良い焼却発電施設の組み合わせが必要になるでしょう。
でも、いまさらねえ・・・。
リサイクル、リサイクルと言っていたのに、今度は燃してしまえとは・・・。
いずれにしても、いつものことながら、日本の行政は「脳みそ」が腐っているのかしら。
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