菅首相は消費税の増税を示唆しました。
私個人としては「やむなし」と考えます。
日本国の債務(国と地方の借金は900兆円近くになります)は毎年膨らんで、国民の個人資産である貯蓄額1400兆円に遠からず到達します。
そもそも、ギリシャと違って日本の国債は国民が買っているから大丈夫という意見には違和感があります。
また、その金は国民に奉仕する為の金だというものチョット違う気がします。
そうしてかき集めた金で、官僚たちは自分の為の行政法人や独立法人を乱立させて、ブラックホールのように税金を吸い込んだり、無用なハコモノばかり作って「国民にお金を回している」などは
もはや通らない話です。
しかし、はたしてこの増税は菅首相の言うように社会保障に廻るのでしょうか?
高負担・高福祉のお手本といわれるスエーデンでは社会保障の給付費はGDPの29%になるそうです。
また、消費税に当たるものは25%もの高率です。
所得税、法人税も高く、それらが高い社会福祉を支えているのです。
そして、それらはスエーデン国内に強い体力の企業が多いからであるようです。
しかし、その強い体力の企業も弱ってきたら、国は日本のようにヤミクモに補助金を出してくれません。
ボルボもサーブもそうして身売りせざるを得なくなったのです。
弱い企業を保護して国の経済が沈んでは社会保証が維持できないという合理的な思想があるようです。
スエーデンを初めとする北欧の高福祉国は国民の課税所得を公開しています。
インターネットで調べればお隣の納税額がスグわかるそうです。
脱税なんて出来ようはずが無いらしいのです。
しかし、逆に高福祉に「タダ乗り」する人は多いようです。
「隠れ失業」の問題が深刻なのだそうです。
表向きの失業率は4%だが、職業訓練や早期退職、疾病保険の給付に依存する人をあわせると20%にものぼるのだとのことです。
大人の二割が遊んで人の金で食っているのではたまりませんなあ。
ギリシャでは政府が把握できない地下経済の割合がGDPの3割に達するそうです。
それだけ脱税しているということです。
また、ギリシャの公務員の数は国民の10%だそうです。(ちなみに日本は3%)
そして、年金の受け取り総額は現役時代の所得の96%(これを、所得代替率というそうです。ほとんど、所得額と同じ)。
所得代替率とは(三菱UFJ銀行の用語解説)
現役世代の収入(手取賃金、ボーナス含む)に対する年金額の割合。
年金受給世帯が、現役世代の収入に比べ、どの程度の水準の年金を受け取ることができるのかを表す。
厚生労働省発表の2004年度の標準的な世帯(夫:40年間就労、妻:専業主婦)の所得代替率は59.2%。2004年度財政再計算においては、将来の所得代替率は50%を下回らない水準を確保していくとしている。
ギリシャの支援をすることになったドイツは43%に過ぎない。
これではドイツ国民は怒るよね。
日本の所得代替率はと調べてみると・・・。
おおよそで言えば、日本は30%半ば、ドイツは60%台、OECDの平均は60%弱です。
低ッ。
ショックでしょ。(注記:しかし、この数字は資料によってバラツキがあるようです。
日本は40%半ばといったデータもありますし、労働省発表では50%以上となっていますが。
いずれにせよ、日本の所得代替率が低いのは事実ですし、この先も、このままでは下がってゆくのは皆様もご存知のことです。)
ただし、日本の高齢の年金需給者はOECD平均以上もらっているそうです。
なんだか、割り切れないなあ。
アメリカの国民一人当たりの医療費はOECD平均の2.5倍だそうです。
民間保険の医療保険料が高騰して国民の15%が無保険です。
オバマは医療保険制度改革法を成立させましたが、「税金が増える」として、これがオバマの人気を大きく下げさせる原因になっています。
アメリカとは「自主独立。他人の世話にはならん。」という意識の強い国なのでしょうか。
それにしてもかわいくない国だなあ。
日本も増税するにしても、長いスタンスでの使い道の明確なビジョンと、それを曲げない、ブレない強いイニシアチブが必要です。
右から文句がでればスコシ右にまげて、左から横槍が入れば、左にネジってなどしないで、まっすぐな太い骨を持たなければいけないと思う。
追記:
IMFは世界の先進各国に2015年までに借金をなくすように勧告しましたが、日本は免除されました。
なぜかといえば、日本の場合は借金ゼロなんてとても無理だと判断したからです。
それだけ日本の現状は深刻だということです。
国民全員で、本気になって「何とかしなければ」日本の破産は遠い先の話ではないと思います。
「借金をなくす」コレを第一命題にして取り組まなければ世界中から相手にされなくなります。
自助努力をしなければ捨てられるのは、国も個人も同じです。
「借金をなくす」方法は、これ以上、借金をしない。借金を返す金を生み出す。
その為の計画を立てて実行する。
その為にも、増税はやむなしです。
子供たちに何も残せなくなります。
しかし、その使い道はシッカリとさせて欲しいなあ。
たのんまっせ。
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